救急蘇生統計では、日本全国で救急蘇生が試みられた院外心停止患者をウツタイン様式に基づきプロスペクティブに登録している。2005年1月~2008年1月の4年間で、18歳以上の19万6032例が心疾患に関連した院外心停止で救急搬送された。
人口1万人・年あたりの院外心停止の発生率を月別に見ると、発生率は1月に最も高く、6~7月に最も低くなっていた。6月を基準とすると、1月の院外心停止発生率は1.61倍に上った。また年齢別にみると、65歳未満の1.23倍に対して65歳以上では1.85倍と、より高率になった。
院外心停止例の平均年齢は、発生率の高い冬季で高くなっていた。月ごとの院外心停止発生率と月ごとの院外心停止例の平均年齢とが同様な変動パターンを示したことから、発生率の高い月には高齢者が多く院外心停止を起こしていると考えられた。
わが国は、地域によって気温差が大きい。都道府県別の解析では、月の平均気温(P<0.0001)と平均最低気温(P<0.001)が低い地域ほど院外心停止発生率が有意に高かったが、年齢、性別、最低気温で補正後も、月ごとの院外心停止発生率の分布は変わらなかった。
なお、心拍動の再開率は冬季に比べて7~8月の夏季で高く、院外心停止発生率と逆のトレンドになっていた。これは、夏季の院外心停止発生患者の平均年齢が若いことが原因の1つと考えられた。
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